絶望的な、日本のIT活用状況2020年05月18日 00:05

新型コロナウイルス対策で露呈し、
「これはヤバい」と多くの日本人が実感することになった、
日本のIT活用状況。
 
台湾や韓国と比較して、絶望的に遅れていることがはっきり示されました。
 
日本はかつて「電子立国」だったはず。
ところが今は、世界から周回遅れどころか、2周も3周も遅れています。
 
これはひとえに日本が「紙」と「印鑑」の文化だったから。
 
そして、いつも手間と時間をかけて丁寧に対応することが美徳だと信じられていたから。
 
楽をして効率を上げることは「善」ではないという認識もあったから。
 
今でこそほとんど見かけなくなりましたが、「オレはパソコンなど使わん」と豪語していた人。その人が紙でしていた仕事を引き継いだ後任者は泣いていました。
 
パソコンが苦手な中高年ほどやっかいな存在はありません。私もこういう人たちにずいぶん苦労させられました。
  
そう言えば、パソコンを使ったことのない人がIT担当大臣になり、国会で追及されたこともありました。嘲笑の対象でしたね。
 
 
 
これでは、世界のスピードについて行けません。
  
  
  
そして今話題になっているのが、これ。
 

マイナンバーカードによる、給付金10万円のオンライン申請。
 
誰しも郵送よりもオンラインの方が給付が速いと考えるもの。マイナンバーカードを持っている人は書類が郵送されてくるのを待たずにオンラインで申請します。
 
でも、これが役所を苦しめているのです。むしろ、発狂しそうなんでしょうね。
 
理由は、
 
・オンライン申請だと世帯全員の氏名を打ち込む必要があります。ところが世帯情報が紐付けされていないため、役所の人はこれを手作業で正しいか確認しなければなりません。この入力間違いが意外と多く、確認と訂正作業に忙殺されます。
 
・オンライン申請には、マイナンバーカード取得時に設定したパスワードが必要。これを忘れた人が大勢役所に聞きに来る。
 
・マイナンバーカードの駆け込み申請が急増していて、そちらにも人員を割かないといけない。
 
その結果、どんなことが起きているのか。
 
それは、「オンライン申請だと給付が遅れるかも」という、皮肉な現実。
 
現に、役所は郵送による申請を推奨していますね。
 
でも、政府は「郵送でもオンラインでも申請できます」というテレビCMを流しています。相変わらず政府は現実を直視せず建前で事を進めているわけです。
 
 
 
これらに付随して起きているのが、オンライン申請に必要なICカードリーダーの高騰。
 
ふだんは、これぐらいの価格です。
 
  
でも、この価格で買おうとすると、入荷は2~3か月待ち。
 
すぐ買おうと思えば買えますが、amazonではこの価格。 
 
  
楽天では、ここまで値上がりしています。
 
  
マイナンバーカードの活用推進に関して、今まで政府は何をしてきたのか。
ただカードを作れと言うだけで、何もしていませんね。
腹立たしいのを通り越して、笑えてきます。
 
ここでも、日本のIT化の著しい遅れが露呈してしまいました。